リスクとやりがいをよく知っておこう

 

 

 

 

 

 

 

 

内視鏡検査では、患者の呼吸器や消化器など人体の内部器官に医師が検査用のカメラを挿入し、コントローラーで操作しながら画像を視認して異常を発見します。高度の医療機器を扱って患者の体内への侵襲検査を行うため、内視鏡室看護師も検査器具の調整や洗浄など管理に細心の注意が必要です。人体の内部に挿入する検査器具は、徹底的に洗浄し衛生を保たないと感染のリスクが残ることは否定できません。口や鼻から器具を挿入するときは唾液など体液が飛散することがありますし、時には検査中に患者が吐血したり嘔吐したりするアクシデントに見舞われることもあるでしょう。肛門やストマからの挿入の場合には、排泄物が外部に漏れ出すおそれもあります。

こうした事態に備えて、内視鏡室看護師はマスクやゴーグルなど感染防止用のアイテムを装着して自分の健康を守らなければなりません。このような内視鏡室看護師の業務は緊張感が強く、ストレスが溜まることはあるでしょう。しかし、一般外来から内視鏡室看護師に移ってくる看護師も少なくありません。内視鏡室看護師は、高度な専門性を持って働けるという充実感もあるでしょう。内視鏡室看護師は、医師の指示を待たずに患者のバイタルチェックや止血剤の準備を行わなければなりません。内視鏡室看護師は自立心を持って能動的に業務に専心しなければならないのです。自主性を求められる内視鏡室看護師には、専門家としての自負心も生まれます。また、内視鏡検査器具に関する高度の医療技術が身に付き、医療従事者としてのやりがいを感じることができるでしょう。内視鏡室看護師の経験を生かして、消化器内視鏡技師という内視鏡の検査技師の資格も取得できます。内視鏡室で働きたいのであれば、内視鏡室看護師の実情をよく知っておくと安心でしょう。